診療科・部門紹介

眼科

概要

外来診療においては、“自分自身が病気になり、患者として受診した場合”を常に想定しながら、患者さんの不安をできるだけ払拭する医療を行うよう心掛けています。眼科に限りませんが、患者さんは初めて訪れる病院で、初対面の医者と1対1で向き合うストレス、そして病気に対する不安を抱えて来院されている訳ですから、できるだけお待たせせずに、解りやすく説明するよう努めて参ります。
目のことでお困りのことがありましたら、些細なことでも結構ですのでご相談ください。

対象治療・疾患

眼科一般

屈折異常、眼精疲労、角膜疾患、ドライアイ、眼瞼疾患、涙道障害、白内障、緑内障、糖尿病網膜症、その他眼底疾患

手術対応

眼瞼(眼瞼下垂、内反症、睫毛乱生、上眼瞼皮膚弛緩症)、白内障、緑内障、翼状片、涙道(涙点形成術、N-Sチューブ挿入術)、結膜弛緩症など

レーザー手術

緑内障、糖尿病網膜症、その他眼底疾患

その他

眼瞼、顔面痙攣に対するボトックス注射、ドライアイに対する涙点プラグ、加齢黄班変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫に対する抗VEGF抗体硝子体内注射

スタッフ紹介

【略歴】
平成7年 琉球大学医学部卒業
東京医科大学眼科学教室入局
厚生中央病院 眼科医員
東京医科大学 眼科助手
大月市立中央病院 眼科部長
日本通運東京病院 眼科部長
東京医科大学 眼科派遣講師
総合新川橋病院 眼科

【資格】
医学博士
日本眼科学会認定眼科専門医
北里大学医療衛生学部非常勤講師
ボトックス注認定医
有水晶体眼内レンズ(ICL)認定医
横浜市視覚障害判定指定医
iStent眼内ドレーン手術認定医

【所属学会】
日本眼科学会
日本角膜学会
日本眼科手術学会
日本白内障屈折矯正手術学会
日本眼感染症学会

非常勤医1名、視能訓練士2名、外来看護師1名、
眼科検査員1名、手術室眼科担当看護師3名、受付1名

その他

眼科手術件数

2011年10月~2024年3月末まで

単位:数

白内障手術3982結膜弛緩症手術52
緑内障手術88眼瞼内反症手術49
全層角膜移植1涙点形成術71
眼瞼下垂手術246鼻涙管チューブ挿入術52
抗VEGF抗体硝子体注505結膜腫瘍摘出術19
翼状片摘出術56その他1474

白内障手術について

白内障とは?

目の中の水晶体(レンズ)が濁ってしまった状態です。ほとんどが老化現象です。
物が見えにくい、まぶしい、二重に見えるなどの症状がでてきます。網膜や視神経に異常がなければ、手術により見えやすくなります。手術では、一般的には濁った水晶体を取除き、代わりとなる人工水晶体(眼内レンズともいいます)に置き換える手術が多く行われています。
短時間で済む手術なので、局所点眼麻酔で行います。

痛みについて

多少の圧迫感を感じることがありますが、術後も含めて痛みはほとんど感じません。

手術機器

本緑内障は本邦において失明原因の第一位となっており、かなり進行するまで自覚症状が現れにくいため、注意が必要です。40歳位以上の20人に1人、70歳以上では8人に1人の割合でみられ、当院でも多くの患者様が治療を受けています。
この度、当院では緑内障治療において低侵襲で合併症が少なく、眼圧下降効果が期待できるレーザー治療であるSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)を導入する運びとなりました。点眼麻酔にて行うため、痛みはなく、時間も5分程度です。

また、白内障術後約20%に発症する後発白内障の治療に対応可能なYAGレーザーも搭載しており、SLT/YAG コンビネーションレーザーとして、低エネルギーかつ正確なフォーカシングシステムにより安定した効果の発現が可能となりました。

現在、最新の機器である本レーザー(製品名:エレックス社製 tangopro)の導入により、緑内障、後発白内障治療に新たな選択肢が増えたことは、患者様にとって大変有意義であると考えています。

■SLTとALTの比較

本機器は最新型の白内障手術機器であり、港北区では当院が初の導入となります。(2015年6月時点)
低侵襲・高効率の白内障手術の実現により、手術時間の短縮・手術の安全性向上・患者負担の軽減が期待できます。その結果、今まで以上の良好な術後経過が得られており、患者さまの満足度の向上に繋がっていると確信しております。

手術時に角膜の歪み(乱視)が強い部位を狙って切開することで乱視を減弱することができますが、その部位を術中に正確に固定することは困難でした。検査時(坐位)と手術時(仰臥位)で眼球が回旋するためです。VERIONイメージガイドシステムによって切開位置の正確な同定、理想的な眼内レンズ固定位置のイメージ化が可能になり術後裸眼の視力向上が期待できるようになりました。

入院期間と手術日

入院期間(片眼)現在は日帰り入院のみで対応させて頂いております。
手術日月~木(午後)

費用について(日帰りでも入院扱いとなります)

1割負担の方2割負担の方3割負担の方
日帰り(片眼)約18,000円約35,000円約55,000円

疫学調査によると緑内障、糖尿病網膜症は我が国の失明原因のそれぞれ第一位、第二位を占めており、40歳以上の20人に1人は緑内障に羅患していることがわかっています。マスコミなどの影響により『緑内障=失明』と誤認識されている方が大勢いらっしゃいますが、緑内障は早期に発見し、定期的な受診、点眼加療を行えば決して怖い病気ではありません。ただしかなり進行するまで自覚症状がないため、40歳以上の方は一度眼科受診されて緑内障を否定しておくことをお勧めします。当科では2名の視能訓練士により視野検査(ゴールドマン視野計、ハンフリー自動視野計)および、眼底三次元画像解析装置(OCT:CIRRUS)を用いて初期の緑内障の発見に努めております。

糖尿病網膜症に関しては、当院内科の先生方のご指示による糖尿病の患者さんの眼科受診により、眼合併症の早期発見に努めています。適正な血糖コントロールのもと、OCTや蛍光眼底造影、必要に応じてレーザー加療を施行し慎重な経過観察を行っています。現在の血糖コントロールが良好でも、過去に高血糖の時期が続いたエピソードがあれば網膜症は発症、もしくは進行することがありますので、眼科未受診の方は一度眼底検査を受けて頂き、網膜症の有無を調べておくことが必要です。

"目の周りのピクピクが改善しない"、"自分の意思とは無関係に目をつぶってしまう"などの眼不快症状、不自然な瞬目過多に対して、ドライアイとの診断で漫然と点眼加療されている患者さんに遭遇することがよくありますが、病変の首座は眼瞼ですので点眼薬では改善しません。このような場合、眼周囲や顔面に抗けいれん薬であるボトックスを皮下注射することにより、症状を緩和させることが可能です。ほとんど痛みもなく、もちろん当科で施術可能ですのでお心当たりのある方はご相談ください。

検査・医療機器

屈折視力検査、眼鏡処方、オートレフ、精密眼圧検査、色覚検査、ドライアイ検査、角膜内皮細胞顕微鏡検査、超音波断層検査(A,Bモード)、動的・静的視野検査、蛍光眼底造影検査、網膜電位図検査(ERG)、眼球運動検査(Hess)、中心フリッカー検査、ZEISS眼底三次元画像解析装置(OCT)、TOMEY光干渉式眼軸長測定装置OA-2000、CCDカメラ付きZEISS細隙灯顕微鏡、眼底カメラ、ellexインテグライエローレーザー装置、超音波白内障手術装置(Alconセンチュリオン)、ベリオン イメージガイド システム(Alcon)、ZEISSスリット付き眼科手術用顕微鏡、exllex社製TangoProなど