診療科・部門紹介
人工透析内科
概要
昨今の高齢化社会のため、血液中に溜まった毒素を、濾過(ろか)してきれいにする腎臓の働きが弱り、代わりに人工腎臓によって濾過する透析という治療を受けざるを得ない方々が急増しております。しかし、透析治療は、1回に約4時間、それを週3回も受けなければならず、ご高齢の方には病院に通うだけでもかなりの負担となります。従って、長期に亘り入院しながら透析を受ける患者さまが増え、そのための医療機関の必要性が増してきております。
対象治療・疾患
透析治療を必要とする患者さまのうち、ADL(日常生活の活動レベル)が低下し、長期に亘り入院しながら透析を受ける必要のある方々を、主に対象としております。従いまして、外来通院が可能な透析患者さまは原則としてお受けしておりません。
また、当院はリハビリ部門が充実しておりますので、ADLの低下した患者さまが少しでも早く、元の通院透析に戻れるようサポートしております。
その他
個人用透析装置のご紹介
東レ・メディカル社製の個人用透析装置「TR-3300S」を港北区で初めて導入しました。(2016年9月当時)
中分子量物質の除去を目的とした「オンラインHDF(O-HDF)」や、「間歇補充型HDF(I-HDF)」など、新たな治療の施行が可能な装置です。他にも大切なシャント血管になるべく負担をかけないよう、治療中の脱血状態や、治療終了時の返血圧力の監視機能も搭載しており、安心して治療を受けていただけます。患者さまそれぞれに適した多様な治療を安全に提供することで、患者さまのQRL(生活の質)向上に貢献したいと当院は考えております。
通常の血液透析では除去が難しい分子量の大きな尿毒素の除去に優れています。臨床報告によると、①透析アミロイド症の発症遅延、②レストレスレッグ症候群、イライラ感の改善、③貧血の改善、④血圧の安定、⑤栄養状態の改善⑥生命予後の改善などの効果が期待されます。
治療中の血圧の安定化に有用とされおり、マイルドなO-HDFとも呼ばれています。臨床報告によると①治療中の末梢循環の改善、②関節痛・しびれ感の緩和、③血圧の安定化、④血圧低下による処置回数(下肢拳上、補液など)の低減などの効果が期待されます。