診療科・部門紹介

臨床検査科

概要

検査室では、病気の原因を調べるほか、治療の効果を確認するために様々な検査を行っています。 臨床検査は大きく分類すると、患者様から採取した血液や尿などを用いて調べる検体検査と、患者様に直接触れて心臓やお腹、肺などの検査を行う生理機能検査があり、これらのデータは医師に提供され、病気の診断や治療に役立っています。

検体検査

尿の成分を調べて、腎臓や肝臓の異常をチェックします。便の検査は、出血しているかどうかなど、下痢や腹痛の原因は何か(細菌・ウイルスなど)をチェックします。
検査室に提出された尿は、まず定性検査を行い、遠心分離後に顕微鏡で尿沈渣検査を行っています。

一般検査で行っている簡易迅速検査

  • インフルエンザウイルス&SARSコロナウイルス抗原同時迅速検査
  • インフルエンザウイルス迅速検査
  • SARSコロナウイルス抗原迅速検査
  • A群β溶血連鎖球菌迅速検査
  • アデノウイルス迅速検査
  • 尿中肺炎球菌迅速検査
  • レジオネラ抗原迅速検査
  • クロストリジウムディフィシル抗原毒素迅速検査
  • ノロウイルス迅速検査
  • マイコプラズマ抗原定性検査

血液中の有形成分(赤血球、白血球、血小板など)から異常をチェックします。

血液中に含まれる成分(糖質、蛋白質、脂質、酵素など)をチェックします。

血液中の凝固因子が正常に働いているかをチェックします。

血液型を調べたり、安全に輸血を行えるよう交差適合試験を行います。

  • 一般細菌喀痰・尿・膿などを材料として、細菌感染症の原因となる菌が存在しているかを検査します。
  • 抗酸菌:喀痰・胃液などを材料として、結核の原因となる菌が存在しているかを検査します。

採血室では朝8時10分から臨床検査技師が採血を担当しています。
また、入院中の患者さまには、担当医から指示があった場合ベッドサイドにて朝食前に採血を行っています。

外来採血の流れ

  • 1)来院したら再来受付機に診察券を通してください。健康保険証の確認が必要な場合は1階受付前にてお待ちください。それ以外の場合は2階へ移動します。
  • 2)診察券は2階の外来窓口に提出します。
  • 3)係の者が診察券と依頼内容を確認し、案内表を作成し検査室へファイルを回します。
  • 4)採血管の準備が出来次第、フルネームにてお呼びします。
  • 5)患者誤認防止のため、席に着いたらフルネームと生年月日を確認させていただきます。
  • 6)採血
    ※採血中、指先がしびれるような痛みや、ふらつき、気分が悪いなどの症状が出た場合は、すぐにスタッフにお申し出ください。
  • 7)止血確認。出血が止まったことを確認したら、次の検査・診察に向かいます。

注意事項

以下の項目に当てはまる場合は、採血前にお申し出ください。

  • アルコール綿による消毒でかぶれる
  • 採血をして気分が悪くなったことがある
  • 血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を服用している
  • 採血をしてはいけない部位がある(透析用シャントなど)
  • 絆創膏やテープでかぶれる

採血における合併症について以下の項目に当てはまる場合は、採血前にお申し出ください。

  • 血管迷走神経反射(VVR):痛みや恐怖感、緊張などにより起こります。
  • 末梢神経損傷
  • 血腫形成(皮下血腫)
    1)抗凝固薬(ワーファリンなど)服用者は注意してください。
    2)抜針後は揉まず、伸展位で圧迫してください。
  • 静脈炎

採血に関するよくある質問

以下の項目に当てはまる場合は、採血前にお申し出ください。

採血時にめまいがします。
過去の採血中にめまいや吐き気、気分不快感のような症状が出たことのある方は事前に申し出て頂けると、ベッドで横になって採血することも可能です。
食事をして来院しました。
食事をした場合、血糖や中性脂肪などが空腹時よりも高値となる場合があります。診察時、主治医に申し出てください。(検査結果に食後〇〇分と入れて報告するので、食事時間を採血者へお伝えください。)
消毒でかぶれてしまうのですが…
アルコールに過敏な方は、アルコール綿を使うと赤くなったり、腫れたりします。事前に申し出て頂ければ別の消毒綿を使用致します。
採血量はどれくらいですか?
採血管の種類によって血液の入る量は異なります。また、採血の本数も患者様ごとに異なりますが、多くの方は10~20cc程度となります。
多くの本数をとる理由は?
検査項目によって採血管の中に入っている薬剤が異なるためです。
採血方法(使用器具)の違いについて教えてください。
採血量や血管の状態を見て判断しています。
SMBG(自己血糖測定器)と採血の時の血糖値に差が出るのは何故ですか?
「動脈血>毛細血管血>静脈血」の順に血糖値は高くなります。SMBGでは毛細血管血で血糖値を測定しているため、病院の採血(静脈血)より10~20mg/dl高値となります。
ちょっと血液が黒すぎない?
採血は静脈より行っています。静脈血は全身に酸素を供給したあとの、二酸化炭素を多く含んだ血液で暗褐色をしています。反対に動脈血は酸素を多く含んでおり、鮮紅色をしています。
採血した当日はお風呂に入って大丈夫ですか?
当日から入浴して頂いて問題ありません。
  • 尿の出始めは分泌物などが含まれることがあるため、容器に取らずに捨てて、中間の尿を採取してください。
  • 女性の方で生理中の場合は正しい検査ができないため、診療科もしくは検査室にお知らせください。
  • ビタミンCの服用は正しい検査ができなくなるため、ジュース類などは検査の前日および当日の服用は控えてください。

生理機能検査

不整脈、狭心症、心筋梗塞、心肥大などの有無とその種類を調べます。
動悸・息切れ・脈の乱れ・胸痛などの症状の方に有用な検査です。

方法ベットに寝て、胸部6ヵ所+両手足4ヵ所に電極をつけ測定します。
所要時間5~10分
注意事項足首に電極をつけますので、ストッキングやタイツ着用の際は脱いでいただきますので、着脱しやすい服装で来院してください。

小型・軽量の心電図記録装置を身体に取り付けて、24時間連続で心電図を記録する検査です。
短時間の心電図検査ではわからない不整脈の出現頻度や狭心症の有無などを調べます。入浴する事も可能です。

方法機器(シール電極・コード・携帯機器)をつけ約1日、日常生活の心電図を記録し解析します。
所要時間装着15分、測定1日
注意事項●着脱しやすい服装で来院してください。
●胸部体毛の多い方は除毛していただく場合があります。
●装着時に、装着(記録)中の注意事項やお願いをご説明します。検査に不安を感じられる方は付き添いの方と一緒に来院してください。
●装着時、電気カーペット・電気毛布などの直接使用はできません。

上肢・下肢の血圧差から下肢動脈閉塞の有無、脈波の伝播速度から動脈の硬さの程度を調べる検査です。

方法靴下を脱ぎ、両手両足の血圧を同時に測定します。心電図と心音も記録します。
所要時間15~20分
注意事項上腕・足首を出していただきますので薄着になれる服装で来院してください。

肺を出入りする空気の量や速度を計測し、肺の働きや呼吸の病気がないか調べます。

方法口で息を吸ったり吐き出したりして検査します。最大の値を測定しますので何度か検査を繰り返し、一番良い結果を報告します。
所要時間10分
注意事項患者さんの努力次第で結果に影響がでます。苦しいこともありますが、正確な検査結果を得るために検査に協力してくださいますようお願いします。

手の指や鼻の下にセンサーをつけて、いびきや呼吸の状態、酸素飽和度(SpO2)から睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べる検査です。仕事や日常生活の心配をせずにご自宅でできる検査です。

方法パルスオキシメータのセンサー部分を指に装着して眠るだけなので、圧迫感などの違和感もほぼありません。いつもの睡眠を妨げることなく測定することができます。
所要時間装着の説明5~10分、記録(リラックスした状態で連続した睡眠4時間以上)
注意事項より詳細な精密検査(入院検査)が必要となる場合には、専門機関をご紹介しています。

脳の細胞(神経細胞)から出る微弱な電気活動を記録し、波形の状態から異常部位を判断する事ができます。
てんかん、意識障害などの診断に役立ちます。

方法頭皮にクリームを塗って電極を20個程つけ、目を閉じた状態で脳波を記録します。脳から出ている電気を拾いやすくするために皮膚を清拭します。
所要時間45~60分
注意事項●ピアス、イヤリングは検査を行う際に妨げとなりますので外してください。
●頭部全体に電極をつけますので、ヘアピン・ヘアゴムなどは外しておいてください。
●整髪料を使用すると頭皮の油成分や電気抵抗を落とすのに時間がかかりますので、使用は控えてください。

超音波検査について

超音波を用いるため、放射線被ばくがなく身体に侵襲のない検査です。

肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓を上腹部超音波検査で、膀胱、腸管、生殖器を下腹部超音波検査で調べます。
脂肪肝・胆のうポリープ・胆石・腎のう胞・腎結石・尿管膀胱結石・前立腺肥大・子宮筋腫・卵巣のう腫などがわかります。

心臓の形態(大きさ・厚み・弁の状態)、動き(ポンプ機能の状態)を調べます。
これにより、心臓の状態を知る事ができます。

甲状腺の大きさや腫瘤(腫れ物やこぶ)の有無、周辺のリンパ節の腫れを調べます。

脳に血液を送る血管の狭窄・閉塞を調べます。また動脈硬化の評価においても有用な検査です。

足の動脈に狭窄や閉塞などがないかを調べます。
歩行時の足の痛みやしびれの原因となる閉塞性動脈硬化症の診断に有用な検査です。

透析患者さまのシャント血管の内部を観察し、狭窄・閉塞部位の有無を評価します。

所要時間20分~60分(検査項目により所要時間変更)
注意事項●当日は検査が終了するまで飲食物は摂らないで下さい。(水・お茶は可能です)
●薬の服用に制限はありません。(糖尿病でお薬を服用している方は担当医の指示に従って下さい)
●下腹部超音波検査で膀胱内の観察があるときは、尿をためる必要がある為、可能であれば、検査前に排尿しないで下さい。

検査は予約を原則としていますが、可能な限り当日依頼や時間変更に対応致します。お気軽にスタッフにご相談ください。

スタッフ紹介

検査技師人数
常勤6名 非常勤1名 合計7名(2023年4月現在)

日付学会名演題目
2023.06.24第25回日本医療マネジメント学会 学術総会脳波検査中の大発作てんかんを発症した事例を振り返って行った急変時シミュレーション
2023.06.24第25回日本医療マネジメント学会 学術総会コロナ禍での検査待ち時間短縮の取り組みについて
2023.03.04日本医療マネジメント学会
第22回神奈川支部学術集会
新型コロナウイルス感染症の流行を契機に進めた業務拡大と職場環境整備
2021.03.13日本医療マネジメント学会
第20回神奈川県支部学術集会
ウィズコロナ社会における小規模検査室のあり方-核酸増幅検査(SmartAmp)導入から見えた気づきと課題
2019.09.29第61回全日本病院学会 in 愛知インフルエンザアウトブレイクから考えた、簡易インフルエンザ検査結果と体温の関係性
2018.10.07第60回全日本病院学会 in 東京抗菌薬投与前の細菌培養検査提出徹底の取り組み